そして、物語は輪廻する〜『ウレロ☆未確認少女』第1話と第10話のリンクと成長
今、地球上で最も面白い番組『ウレロ☆未確認少女』。
http://www.tv-tokyo.co.jp/ufi/
決してお世辞ではない。毎週テレビの前に釘付けになるなんて、いつ以来の感覚だろうか。
弱小芸能事務所・@川島プロダクションを舞台に、アイドル戦国時代で天下を取るべく結成された未確認少女隊UFI(ユーフィー)を巡る舞台裏を描いたシチュエーション・コメディ。
劇団ひとりにバカリズム、東京03と、東京芸人好き垂涎のキャストに加え、元ももいろクローバーの早見あかりが意外なまでの好演ぶりで、芸人と化学反応を起こしている。それぞれの個性を生かしたキャラ設定に、巧みな脚本、更にももいろクローバーZを絡めてきたりして、毎週金曜日の深夜に仕事の煩わしさを忘れひたすら爆笑している。
毎回シチュエーション・コメディとして秀逸なのは言うまでもないが、連続ものとしての魅力が回を重ねるごとに増している。
そして、先日の第10話『モドレ☆未確認少女』は、第1話とリンクさせながらも、10話重ねてきた@川島プロダクションの成長と結束を感じさせる見事な内容だった。
あまりに感動したので、稚拙ながらそのリンクを解説していきたいと思う。
ただし凄まじいまでのネタバレを含むので、未見の方は是非第1話からその素晴らしさを自分の目で確かめたうえで読んでいただきたい。
第1話『ツドエ☆未確認少女』
事務所社長・川島、プロデューサー・升野、作曲家・角田の3人の会議から始まる。
そして黒板にはUFIのメンバーのプロフィールが。
ももりん、さーや、たまちゃん、キャサリン、ぷかりん、みーこの6人。
升野は「最高の6人」と自負し、角田は「『最高の6人』か、いい言葉だ」といい顔をする。
しかし、川島がメンバーの一人を入れあげているキャバ嬢・えりな(ゴリナ)に差し替えようと提案しだす。
あまりのブスさに二人は猛反対。
川島「ブスがアイドルになっちゃダメなのかよ!」
升野「ダメだよ!」
そして、第10話『モドレ☆未確認少女』も全く同じ構図で幕を開ける。
ただ違うのは黒板に貼られているメンバー。
ももりん、さーや、たまちゃん、キャサリン、ゴリナ、ミスX。
更には日本一のアイドルを決めるイベント「IQG」への出場も果たしている。
「最高の6人」と自負する升野に、またしてもいい顔をする角田。
しかし、ゴリナがUFIに忙しく寂しい思いをしている川島がメンバーの一人を菜々緒(@川島プロの新人タレントだが、前話でライバル事務所のスパイであることが発覚)に差し替えようと提案する。
まったくもってワクワクするこの始まり方。
あぁ、第1話とリンクするつくりなのだと気付かせる仕掛け、素晴らしすぎる。
しかしただリンクしているだけではない。先にも書いたようにそれぞれのキャラの成長が描かれている。
以下の場面ごとのリンクを見ながら解説していく。
第1話
新人マネージャーとして事務所に入ってきた飯塚が自己紹介をする。聞く気のない升野。
第10話
同じ構図だがアルバイトの豊本がいない。
その豊本の正体を飯塚が説明するも、聞く気のあるなし以前にどんな状態かわからない升野。
第1話では単なるオタクで仕事の出来ないアルバイトだった豊本。
「Oh Shit!」
第10話ではその正体がスパイだと明らかになった。
「どうだ?俺たちの仲間にならないか?」
でもやっぱりオタク。
「Oh Happening Shit!」
角田は第1話では、
みーこの失踪を伝え何故か締め上げられる。
第10話
メンバー全員の失踪を伝えやっぱり締め上げられる角田。
角田はこの10話を通して扱いが着実に酷くなっていった。
第1話では升野から痛烈な蹴りを入れられていたが、
ニコ生で佐久間プロデューサーが言っていたように角田には別のストーリー展開があったようだが、あまりに惨めなキャラが堂に入りすぎて、ここまで魅力的ないじられ方をされるに至った。
そんな蹴りを入れていた升野も第1話では以下の有様。
失踪したみーこに電話するも美人とは緊張して話せない。
第10話では成長し、というかもはや別人。
「あ〜、もっし〜?オレオレ、マッシ〜。元気〜?」
でも無理してキャラつくったから話した内容は覚えてないという、実は小さな進歩。
それぞれのキャラクターの性格や関係性が進化と深化を重ねる中、私が感涙したのは飯塚とあかりの成長だった。
初めは対人恐怖症でメガネなしでは人と話せなかったあかり。そんな彼女を説得してアイドルの道に導いた飯塚。
ブチ切れながらも(笑)。
第10話では、豊本の仲間だと疑われた飯塚が事務所を去りそうになるところを、「アイドル」を通じて成長し、変われたあかりが引き止めた。
やはりブチ切れて(笑)。
その後の飯塚のしゃべりに私は涙してしまった。それでもちゃんと笑いで締めるところにコメディとしての良心を感じた。泣きながらも爆笑し、深夜一人で得も言われぬ満足感に包まれていた。
残り2話となってしまい、終わるのが非常に残念だが、全12話だからこそ詰め込んで一気に駆け抜けていって欲しい。
その次には、ニコ生で宣言してくれたように2ndシーズンを切に待ち望む。
ちなみに川島は第1話でも第10話でもゴリナの電話に喜んでいた。